アノマリーとは
アノマリー(Anomaly)とは、具体的な根拠や倫理では説明しにくい経験則や仮説のこと。
ここでは言葉の厳密な定義は置いておき、「季節性」も同様に取り扱う。
つまり、毎年同じ時期に同じような動きをする株価の特性を利用する戦略とする。
日米指標の年間の値動き率について
まずは、日経平均と米国S&P500の各指標の週足株価終値に対して、毎年年初を100%とした時の変動率を算出し、平均値と中央値の傾向を下図に示す。
なお、日経平均は2006年1月~20024年3月現在までの約18年分、S&P500は2013年1月~2024年3月現在の約11年分のデータを統計処理している。


平均値と中央値を両方をみて、共に上昇傾向あるいは下落傾向にある時期は年毎のバラつきも小さいと言える。こうしてマクロ的な視点で見ると、アノマリーが見えてくる。
目標年利15%!!アノマリーから立てる戦略
まずは日経平均から。下図に多少なりとも株価の値動きに影響があると考えるイベントとコメントを掲載した。

チャートから読み解くアノマリーについて示す。
①年初~2月上旬:下落傾向。目標利益率1%。年末の過熱気味のご祝儀相場が落ち着くため。
②2月末~3月末:上昇傾向。目標利益率3%。決算期を迎える企業が多く、権利確定日が控えているため。
③6月下旬~お盆:下落傾向。目標利益率2%。
④お盆明け~9月中旬:上昇傾向。目標利益率2%。メジャーSQまで。権利確定日を設定している企業が多い。
⑤10月中旬~12月中旬:上昇傾向。目標利益率4%。
メジャーSQ(Special Quotation)は先物とオプションの最終決済日で四半期ごとの第2金曜日に設定されている。これを節目に相場が切り替わる傾向にある。
戦略としては上記アノマリーの傾向に乗って、指標連動型のETFで利益を狙う。
次に米国S&P500について。
基本的に右肩上がりなので、アノマリーを気にするよりはホールドでも良さそう。

とは言え、過去分析すると高確率で上昇する時期が2回ある。
①4月上旬~5月末:目標利益率3%
「セル・イン・メイ」はあまりにも有名。米国は確定申告の締め切りが4/15にあり、税還付金があるので、その資金が株式市場に流れてくる。
②11月上旬~クリスマス:目標利益率2%サンクスギビングデイから株価が上昇する傾向が高い。
まとめ
日米のアノマリーから勝ちやすい相場の時期を読み解いた。戦略としてまとめると以下。
日経平均連動型で
①年初~2月上旬:目標利益率1%。ショートポジション
②3月上旬~3月末:目標利益率3%。ロングポジション
S&P500連動型に切り替え
③4月上旬~5月末:目標利益率3%ロングポジション
日経平均連動型へ切り替え
④6月下旬~お盆:目標利益率2%。ショートポジション
⑤お盆明け~9月中旬:目標利益率2%。ロングポジション
⑥10月中旬~12月中旬:目標利益率4%。ロングポジション
これでトータル目標年利15%を狙う!
さて、次回はさらにアレンジをし、日本の個別株に対しアノマリーの考えに加えてファンダメンタルズ分析も加えてストリーミングする戦略について記載する。
ご覧いただき、ありがとうございました。